2018年7月10日火曜日

カレッジ・ワールドシリーズ、リトルリーグ・ワールドシリーズ、フューチャーズゲーム(マイナーリーグのオールスター)

日本ではあまり知られてないけど、アメリカじゃ人気の野球の大会、をテーマに3つ記事を書きました。

カレッジ・ワールドシリーズ
https://sportie.com/2018/06/cws

リトルリーグ・ワールドシリーズ
https://sportie.com/2018/07/little-league

https://sportie.com/2018/08/littleleagueworld2018


フューチャーズゲーム(マイナーリーグのオールスター)
https://spo-map.com/mlb/1144/

2018年5月1日火曜日

イチローは大谷との対戦を花道に引退セレモニー? ワシントン地元紙が提案


54日(日本時間5日)からシアトル・マリナーズ対ロサンゼルス・エンゼルスの3連戦がシアトルで行われる。大谷は27日(同28日)のニューヨーク・ヤンキース戦で痛めた左足首の影響で51日(同2日)のボルティモア・オリオールズ戦に予定されていた先発登板を回避しており、このシリーズのいずれかの試合に登板がスライドすると見られている。

大谷対イチローの対戦が実現する可能性があり、新旧の日本人スーパースター同士がメジャーリーグの舞台で対戦することへの期待を高めているのは何も日本人ファンだけというわけではない。両者の対戦は米メディアの注目度も高く、そのうちの一つ、マリナーズの地元ワシントン州のスポークスマン・レビュー紙は28日付で「右翼席から粋にイチローを見送ろう」と題するコラム記事を掲載している。


4月22日(同23日)にマリナーズの控え外野手のギレルモ・ヘレディアがマイナーに降格して以来、ロースターに残留したイチローとその決定をしたマリナーズに対して厳しい意見を投げかける地元メディアやファンは多い。 イチローは現在の実力ではなく、過去へのセンチメンタリズム、あるいは球団の集客目当てでメジャーにいるという主張だ。ヘレディアの降格時の打率は.310、その時点のイチローは打率.212であるから、そうした声が出るのはやむを得ない側面も確かにある。428日(同29日)のクリーブランド・インディアンス戦でイチローが5打数ノーヒットに終わると、バッシングとも呼ぶべき声はさらに高くなった。

しかしながら、マリナーズのみならずメジャーの歴史を紐解いてみても、イチローほどの偉業を果たしてきた選手は現在も過去もさほど多くはない。偉大な選手にはそれなりの敬意が払われるべきだと感じる人も多く、だからこそ現在のイチローが置かれた状況に対して戸惑いが生じている。

そうしたなかで、スポークスマン・レビュー紙のコラム記事は安易でネガティブな反応とは一線を画し、イチローへの愛情を感じさせ、かつユーモアに溢れた素晴らしいものだ。以下、長くなるが引用したい。

「次の日曜日の午後、マリナーズはエンゼルスを迎える。その日、23歳の若き日本のベーブルース大谷翔平がエンゼルスの先発ピッチャーとして登板すると見られている(大谷のケガが悪化して故障者リスト入りしない限り)。」
「マリナーズはその日イチローを1番ライトで起用するべきなのだ。この44歳の生きる伝説プレイヤーに彼の母国から来た若き天才が投げる160キロの速球に立ち向かうチャンスを与えるのだ。」
「シアトルのファンは、イチローが打席に立つたび、ライトの守備位置に走るたびに、立ち上がって声援を送るだろう。」
「そして7回表終了時には “God Bless America” “Take Me Out to the Ballgame”の合唱をやめて、2001年シーズンのマリナーズのチーム全員をフィールドに招き、イチローの引退セレモニーを行おう。2001年はイチローが新人王とMVPを同時受賞し、マリナーズがメジャー記録タイのシーズン116勝を果たした記念すべき年だ。」

イチロー自身が「最低でも」50歳まで現役を続けると公言している限り、ここで提案されたような引退セレモニーはあり得ないだろう。デレック・ジーターやデビット・オーティズはキャリア最後のシーズン前に引退を発表し、そのシーズンを通して本拠地だけでなく敵地の球場でも喝采を浴び続けた。イチローがメジャーリーグにもたらした功績を考えると、ジーターやオーティズと同じような待遇を受けるべき選手だ。美しい引き際を選ぶのか、それとも逆風に立ち向かい現役を続けるのか、イチロー自身の選択に敬意を払いたい。

2018年4月13日金曜日

ベースボールチャンネルで記事を書き始めました

しばらく更新をさぼっていましたが、野球専門サイト「ベースボールチャンネル」において不定期に記事を書き始めました。
たまたま地元のエンゼルスに大谷が来たこともあって、今は大谷関連の話題が多いですが、このブログのテーマでもある日米の野球の違いについて紹介するような内容の記事を書いていこうと思います。

記事一覧はこちら
https://www.baseballchannel.jp/author/go-kakutani/

2016年6月6日月曜日

日米草野球オヤジの比較ーその2

以前書きましたが、私はロスアンジェルス近辺で2つの草野球チームに所属しています。
1つはアメリカ人中心の硬式野球、もう1つは日本人中心の軟式野球です。

どちらも日曜に試合がありますので、自分に都合のよい時間と場所を選んで行っているのですが、たまに午前と午後に別々のリーグの試合に出ることもしています。この前なんて、4タコをハシゴしちゃって、しかも両方の試合でエラーしちゃったよ、という個人的な話をしたいわけではなくて、国民性からくる両者の違いについて、2つのキーワードを元に述べたいと思います。

それは「退場」と「乱闘」です。

ヤジの応酬が嵩じて怒鳴り合いになったり、審判の判定に文句をつけたり、そういう大人げない行為は、アメリカ人リーグの方が圧倒的に多いです。放送禁止用語もバンバン出ますし、延々と怒鳴り続ける人が毎試合のように見られます。度が過ぎると「退場!」です。これがアメリカ人リーグではしょっちゅうあります。血の気が多い若者ではなくって、40代、50代のおっさん達がそうなのだから呆れます。

日曜日に楽しみの為に遊びで野球をやっているんだよって意識はアメリカ人も日本人も同じように持っていると思います。プロじゃないんだし、何も勝負に拘る必要もないんだよ、ってことも皆わかっていると思います

それなのに、たった1球のボール・ストライク、アウト・セーフの判定に我を忘れて怒りまくる人はアメリカ人リーグでたくさん見てきました。一方の日本人リーグではぶつぶつ文句を言う人はいても、退場させられるほどの悪態をつける人は見たことがありません。当然、退場者も日本人リーグでは見たことがありません。

極め付けは「乱闘」です。
両チームの選手がフィールドに駆け寄り、輪の中央ではトラブル当事者たちが押し合ったり殴り合ってる、ってアレです。メジャーリーグでも日本のプロ野球でもたまにありますね。
これを草野球でやってしまうのがアメリカです。

昨日のゲーム、1塁近くのクロスプレーで、それた送球を捕球した1塁手が打者走者にタッチしてアウト。そのタッチが強くて痛いやんけ、おうこらおうと打者が一塁手に詰め寄り、一塁手が何言ってんねん、ただのタッチやんけと怒鳴り返して、悪いことに相手の胸を両手で押し返してしまいました。あっという間にもみ合いになり、両チームの選手が駆け寄って、それぞれの当事者を必死で抑えました。もちろんアメリカ人ですので、大阪弁ではなく英語でこれをやっているわけですが、雰囲気としてはこんな感じです。

両チームと審判を合わせたら30人近く、全員を合計した年齢は間違いなく1000歳を越えています。。。。全く困った人達です。

少年野球の方がよっぽどマナーが良いし、大人の草野球に子供を連れてくる人が少ないのも頷けます。絶対に子供の手本にはなれません。アメリカ人に大人の分別がないとは言いませんが、野球オヤジには希薄であると言わざるを得ません。

この日は最初に手を出した一塁手が退場となって、試合は続行されました。一旦決着すると、何もなかったように冗談を言いながら野球をやってしまう切り替えの早さもアメリカ人の特徴と言えるかもしれません。

かく言う私も乱闘の当事者になったことがあります。決して私が悪いわけではなく(皆そう言うのですが)、いわば無邪気な行為が相手の逆鱗に触れたことが原因です。

私はその日2塁手を守っていました。2塁にランナーがいて、ピッチャーが牽制のモーション。モーションだけで投げなかったのですが、慌ててベースにスライディングで戻ってきたランナーに対して、私がボールを捕球する「ふり」をして、タッチする「ジェスチャー」。あくまでジェスチャーでランナーに触ってはいません。

これをFake Tagといって走塁妨害に当たるんだそうですね。恥ずかしながら、私はそれまで知りませんでした。とは言え、本気で相手を騙そうとしたわけではなく、単に景気づけというか雰囲気を盛り上げるような軽い気持ちでした。審判からも特に注意されませんでした。

ところがランナーの怒ることと言ったら凄かったです。何してんねん、腕へし折ったろかいとベース上から怒鳴りつけてきました。驚いて呆然としている私が何か言おうとする前に、仲間のショートが何言っとるんやお前、ってランナーに詰め寄っていました。あっという間に両チームの選手が2塁ベース付近に集まってきて、ランナーとショートを引き離しにかかりました。当事者であった筈の私は何が起きたかよくわからず、輪の外でボーと立っていました。


この時は「物理的な」暴力がなかったということで退場者はありませんでした。騒動の後でチームメイトからFake Tagの説明をうけて、私にもようやく事情が呑み込めました。たまたまそのランナーは相手チームのキャッチャーでしたので、次の打席に入る前に「ルールを知らなかった。済みませんでした」とヘルメットを脱いで謝罪しました。するとまあ、相手キャッチャーは一転して上機嫌になり、「わかった。謝るな。お前はいいヤツだ」と立ち上がり、ハグまでしてきました。本当に切り替えの早い人達です。でも大人げないよ。

2016年5月13日金曜日

アメリカの高校野球

一つ前の記事でも書きましたが、私の息子が進学予定の地元高校。
特に野球が強いわけではない、ごく普通の公立高校です。
アメリカは住む地域の経済格差がそのまま公立学校の施設に露骨な差として現れるのですが、
私達が住む市は貧しくはなくても、決してお金持ちの市というわけでもありません。

それなのに、高校野球部の環境はこの通り。
日本なら甲子園常連校、ひょっとしたらプロ野球チームと同等の設備ではないでしょうか。
少年野球の頃は日本に比べたらヘタクソなアメリカの野球少年達も、高校、大学と進むにつれてレベルアップしていきますが、これを見たら当たり前じゃないかって思います。

ホームグラウンド。敷地内にはもう一つフルサイズのグラウンド(2軍用)の他に、ブルペンとバッティング練習ケージもあります。


フェンスにはスポンサーになっている地元企業の看板バナーがずらり。

今年の1軍チームのポスターまで。

2016年2月26日金曜日

東京オリンピックで軟式野球を!

大学時代に少年軟式野球の世界大会で通訳のバイトを2年連続でしたことがある。佐川急便とナガセ(軟球のメーカー)がスポンサーになって、東京近辺に何十か国ものチームを集めて、「軟式」野球の大会を開いていた。今でもやっているかは知らない。

私は1年目はフィンランド、2年目はベルギーのチームに帯同した。勿論、私にフィンランド語やオランダ語が出来るわけではなく、英語で通訳した。選手の子供達はアメリカンスクールに通っている子達が多かったし、コーチや監督がアメリカ人だったりしたので、それでも何とか用は足りた。

世界大会と言っても、別に各国で予選をやっていたわけでも、代表選手を選抜していたわけでもなく、殆どはその国の何処かの町で日本行きを希望する子達を集めてチームを作っていたようだった。私が担当した両チームも恐ろしくヘタクソだった。日本の少年野球チームと練習試合をするといつもコールド負けだった。大会の決勝もたしか日本対韓国か台湾だったと記憶している。

それでもアメリカが主導している硬球のリトルリーグではなく、日本発祥の軟式野球を普及させようという試みは素晴らしかったと思う。今現在、硬式野球と軟式野球のどちらが世界の主流かと問えば、もちろん硬式野球だ。軟式野球は多分、日本でしかやっていない。上の大会でも、大抵のチームは普段硬球で野球をしていて、日本で初めて軟球を触ったという子達が多かった。日本のプロ野球とメジャーリーグのボールの違いどころではない。

そうした現状を度外視して両者を比較すれば、私は軟式野球の方が優れたスポーツだと思う。まず第一に安全だ。デッドボールを食らっても痛くない。守備練習も恐くない。ヘルメットや金的カップもいらないので費用が安い。バットが折れることもない。フィールドの外にボールが飛び出しても大事には至らないから、頑丈で高いフェンスも不要だ。

野球自体がサッカーに比べて普及度が低いのは、そのあたりのハードルが高いことも一因ではないだろうか。アメリカ育ちの息子は小さい頃からヘルメットだの金的カップなどを身に着けて、専用の野球場だけでしか野球をやったことがない。たかが子供の遊びなのに仰々しいし、おカネもかかる。これでは世界に野球を普及させようとするのは無理がある。


プロ野球やメジャーリーグが軟球でやれば、それを目指して競技人口は飛躍的に伸びるだろう。日本の「カイゼン」を世界に広めることが出来たら素晴らしい。東京オリンピックで野球を復活させるのなら(個人的には反対だが、その辺は別の機会で述べたい)、いっそのこと軟球を使用してはどうだろうか。

2015年12月22日火曜日

高校野球トライアウト

アメリカの高校で野球部に入るにはトライアウトがあります。
私達が住む南カリフォルニアでは高校は4年制。
日本で言う中学3年生から高校3年生(9年生~12年生)が一つの高校に通います。

高校までは義務教育なので、公立に進む場合(殆どの子がそうします)は、日本のように入試について悩む必要も受験勉強も無く、まことに結構なのですが、野球やバスケットボールなど人気スポーツをやっている子達は、高校で好きなスポーツに入部出来るかどうかがプレッシャーになります。
私の息子は来年に高校進学なので、この野球部トライアウトが私の最大の心配事になっています。息子本人は根拠もなく大丈夫だと思い込んでいますが。

息子が進む高校では野球は3つのチームに分かれています。大体、どこの高校でも同じです。
1軍(Varsity)、2軍(Jr. Varsity)、3軍(Freshman/Sophmore)で、1チームは15~20人ぐらいです。上に行けば行くほど、高学年の占める割合が高くなりますが、勿論例外もあります。

先日、ごく近所の球場で来年度のトライアウトが行われたので、息子と2人で見て来ました。



トライアウトは3日連続、放課後の3時間ほどを使って行われていました。
内容はごく当たり前のもので、今まで息子が受けてきた少年野球とそれほど変わりません。

初日:内、外野のノック守備
2日目:フリー打撃
3日目:紅白戦

問題は倍率です。
全部で30人ぐらい受けていましたので、このうち約半分しかチームに入れない。それ以外はいくらやりたくても高校で野球が出来なくなります。
特に野球強豪校などではない、ごく普通の公立高校なのに。

こうして、年齢が上がっていくにつれ、アメリカの野球人口は小さくなっていきます。
日本の甲子園でよく見るように、3年間野球部にいてもベンチ入りも出来なくてスタンドで応援、というようなことは起こりませんが、たかだか14,5歳の時点で野球を諦めなくてはいけないというのも切ない話だと思います。

果たして来年の今頃、息子が合格してほっと胸をなでおろしているか、失意の息子をどうやって慰めるか悩んでいるのか。
日本の受験生と比べたら大したことではないのでしょうが、やはりそれでも私は心配でたまりません。本人が全く心配していないのは、羨ましいと言うか腹立たしいと言うか複雑な心境です。

会場のスタンドでは、心配そうにトライアウトを見守る父親らしきおっさん達が何人かいました。
来年は確実に私も仲間入りです。