2015年12月22日火曜日

高校野球トライアウト

アメリカの高校で野球部に入るにはトライアウトがあります。
私達が住む南カリフォルニアでは高校は4年制。
日本で言う中学3年生から高校3年生(9年生~12年生)が一つの高校に通います。

高校までは義務教育なので、公立に進む場合(殆どの子がそうします)は、日本のように入試について悩む必要も受験勉強も無く、まことに結構なのですが、野球やバスケットボールなど人気スポーツをやっている子達は、高校で好きなスポーツに入部出来るかどうかがプレッシャーになります。
私の息子は来年に高校進学なので、この野球部トライアウトが私の最大の心配事になっています。息子本人は根拠もなく大丈夫だと思い込んでいますが。

息子が進む高校では野球は3つのチームに分かれています。大体、どこの高校でも同じです。
1軍(Varsity)、2軍(Jr. Varsity)、3軍(Freshman/Sophmore)で、1チームは15~20人ぐらいです。上に行けば行くほど、高学年の占める割合が高くなりますが、勿論例外もあります。

先日、ごく近所の球場で来年度のトライアウトが行われたので、息子と2人で見て来ました。



トライアウトは3日連続、放課後の3時間ほどを使って行われていました。
内容はごく当たり前のもので、今まで息子が受けてきた少年野球とそれほど変わりません。

初日:内、外野のノック守備
2日目:フリー打撃
3日目:紅白戦

問題は倍率です。
全部で30人ぐらい受けていましたので、このうち約半分しかチームに入れない。それ以外はいくらやりたくても高校で野球が出来なくなります。
特に野球強豪校などではない、ごく普通の公立高校なのに。

こうして、年齢が上がっていくにつれ、アメリカの野球人口は小さくなっていきます。
日本の甲子園でよく見るように、3年間野球部にいてもベンチ入りも出来なくてスタンドで応援、というようなことは起こりませんが、たかだか14,5歳の時点で野球を諦めなくてはいけないというのも切ない話だと思います。

果たして来年の今頃、息子が合格してほっと胸をなでおろしているか、失意の息子をどうやって慰めるか悩んでいるのか。
日本の受験生と比べたら大したことではないのでしょうが、やはりそれでも私は心配でたまりません。本人が全く心配していないのは、羨ましいと言うか腹立たしいと言うか複雑な心境です。

会場のスタンドでは、心配そうにトライアウトを見守る父親らしきおっさん達が何人かいました。
来年は確実に私も仲間入りです。



2015年12月2日水曜日

少年野球週末トーナメント その2 - 補欠選手について

息子がリトルリーグからトラベルリーグに移った際、毎日曜日の試合ではベンチ入りした全員に出場機会を与えるが、シーズン末のトーナメントは勝利を最優先した選手起用をする、と言われていました。
ですので、今回のトーナメントでは息子の出番は少なくなるだろうな、とあらかじめ覚悟はしていましたが、果たしてその通りになりました。

14歳以下トーナメントには17チームが参加しました。3日間のうち、最初の2日は予選リーグ。各チームが抽選でランダムに割り振られた4ゲームづつを戦い、勝率と得失点差で順位を決め、トップ4が最終日の準決勝及び決勝トーナメントに進む形式です。

息子のチームは見事に優勝。3日間でフルの6試合を戦うことが出来たし、チームには優勝トロフィーを、各人も優勝メダルを持って帰ることができました。


大変喜ばしい結果ですし、息子も含めて子供達は勿論大喜びしていました。息子にとって一生の良き思い出になることでしょう。

しかしながら、観戦する私にとっては、息子の出番が少なく、ベンチを温めている時間が長いのは、親として大変つらいことでもありました。

息子のチームは、通常は12人なのですが、今回のトーナメントには16人の選手で参加しました。トーナメント参加を辞退した子が3人。代わりに近辺の他チームから助っ人を7人かき集めたのです。

もともとアメリカ人にとってサンクスギビングは日本人にとっての正月のような大切な休日です。そんな時期に野球トーナメントに参加しようって子達ですから、本人も親達もかなり野球に気合いが入っています。
結果として、自分のチームではエースでクリーンアップ、みたいな選手が4人も5人も助っ人に入ることになりました。おかげで、スターティングメンバー9人の半分は助っ人選手、元からいる選手の半分以上が控え、ということになってしまいました。

トーナメント期間中、1人のピッチャーは最大で11イニングまで、というルールでした。
5人のピッチャーが交代で登板したわけですが、その5人、多分平均身長が180センチを超えています。14歳以下で、です。

息子は予選リーグ4試合のうち2試合はなんとか先発出場できましたが、準決勝と決勝は代走だけの出場でした。3日間で打席に立ったのはたったの4回。
それでもイニングごとにベンチから外野フェンスまでのダッシュを繰り返す息子をスタンドから見ているのは大変切ないものでした。大きな声では言えませんが、自分の子が出ないでチームが勝つより、出て負ける方がずっと嬉しい。それが親としては皆正直な気持ちではないでしょうか。

以前、「万年補欠で頑張る子供は美談なのか」という記事を書きました。この動画に出てくる両親と同じ気持ちを痛いほど味わった3日間でした。

息子は頑張りました。いつ出番が来てもいいように準備しろと私の言いつけを守り、毎イニングごとのダッシュを最後までさぼらずにやっていたのは息子だけです。
そんな息子を誇りに思いつつ、でもでもでも、もうちょっと試合に出させてやってよ、と監督に文句を言いたくなる気持ちを抑えること。野球バカ親父のそんな試練は多分これからも続きます。

最後に親バカの極みではありますが、息子の初打席初ヒットの動画です。








2015年12月1日火曜日

少年野球週末トーナメント - 会場について

サンクスギビングの連休にラスベガスで行われた息子の野球トーナメントを観戦してきました。
3泊して6試合あったのですが、その大会会場がとても面白いというか羨ましいような環境でした。

敷地内に6つの球場があり、それぞれがメジャーリーグの球場のレプリカです。
各年齢に応じたサイズになっていますが、どれも200人程度の観客席と、真ん中にはクラブハウスまであります。

傑作なのは、外野フェンスの後ろにスタンドが張りぼてで描いてあること。
いわば巨大な野球ゲーム盤なんですが、パッと見には本物に見えます。
14歳以下になりますと、両翼100メートルのフルサイズです。

さて、下の写真を見て、どの球場のレプリカか6つとも見分けることが出来る人はいるでしょうか?
もしいたら、かなりのメジャーリーグ通ですね。


1.

2.


3.

4.

5.

6.



答えは

1. Wrigley Field (Chicago Cubs)
2. Dodger Stadium (Los Angels Dodgers)
3. Cronsley Field (Cincinnati Reds)
4. Angel Stadium (Los Angels Angels of Anaheim)
5. Yankee Stadium (New York Yankees)
6.  Fenway Park (Boston Red Sox)


私の息子は2. Dodger Stadiumで試合をしました。
イチローファンの息子は特にDodgersは好きではない、ということであまり有難みを感じていないようでしたが、私自身がこんな所で野球やってみたいなあとタメイキが出ました。

この施設の名称はBig League Dreams
ラスベガスだけではなく、なんと西海岸を中心に11か所あるそうです。

アメリカの野球少年達は本当に環境に恵まれています。
だったらレベルが高いか、は疑問なんですが。

2015年10月12日月曜日

少年野球への親の関わり方について

息子が所属しているトラベルリーグでは日曜日に試合が行われます。1試合2時間の制限があるダブルヘッダーか、時間無制限の9イニング。投球数制限もあるし、チームの人数はどこも1215人程度ですので、全員にプレイする機会があります。プロと同じくホーム&アウェー形式で、隔週で遠征します。カリフォルニアは野球が盛んですので、遠征と言っても大体車で1時間以内の場所で済んでいますが、送迎は勿論親の役目です。要するに毎日曜日は子供の野球で潰れるってことです。

そこまでは想定内で良しとします。しかしながら、先週末はトイレがないから試合中止」と見たことも聞いたこともない理由で、ダブルヘッダーの2試合目が中止になりました。

アウェーの週でした。場所はとある高校の野球場。朝9時から第1試合開始、8時に集合、7時に家を出なければ間に合わない。だから日曜なのに6時起き。特に大変だとは思いません。

第1試合開始後、両チームの世話役をしている保護者達が何やら話を始めていました。最初は穏やかに笑いあいながら話していたようなのですが、段々声が大きく尖ってきました。

日曜日なので高校のトイレには全て鍵がかかっています。大抵、運動場の周りに工事で使うようなポータブルのトイレが1つ2つあるものですが、この高校にはありませんでした。ホストチーム側はそれを見越して、レンタルを手配したらしいのですが、何かの手違いで届いていません。

さすがにダブルヘッダーをトイレなしでやるのはきついです。見物している親は適当に抜け出して近所のお店か何かで済ましてくることも可能ですが、試合中の子供達はそうはいきません。だったら第1試合と第2試合の合間に全員で行ってくればいいだろうと思いますし、実際に我々のチーム側はそう提案したらしいのですが、ホスト側はあくまで試合間の休憩は30分しか認めないと主張し、話し合いが平行線のまま第1試合が終わってしまいました。

もうそうなると、大人げなく折れないアメリカ人同士の交渉は大変です。双方から数人の親が大声で怒鳴り合う修羅場になってしまいました。第2試合は中止です。第1試合ではDHだった息子。第2試合は先発で守備につける筈だったのに。

多分ですが、ホスト側が時間に拘った理由は、球場の使用料か、あるいは審判の時給に関係しているのだと思います。それにしたって、もうちょっと臨機応変に行かないものかなあと思います。だってトイレですよ。大人が真剣に怒鳴り合うようなことでもないでしょうに。

日本だったらどうなったでしょう。日本人は杓子定規的だとのイメージがありますが、ここまではひどくないような気がします。何とか妥協して子供達に野球をさせてあげる方向に話をしたのではないかな。それとも、よーしお前ら全員で立小便してこい、ってことになったかな。

アメリカ人気質や少年野球への親の関わり方を改めて考えさせられた出来事でした。エキサイトする大人達を尻目に、子供達は文句を言うこともなく、いつものように相手チームと審判に試合後の挨拶をして、大人しく球場を後にしていたことがせめてもの救いです。

2015年9月10日木曜日

またまた変更 リトルリーグの年齢ルール

現行ルールではリトルリーグの年齢は4月末で区切りなので、早生まれ(1~3月生まれは不利)だという記事を書きました。
http://samurailittleleague.blogspot.com/2014/03/blog-post.html


そして2018年からは区切りが12月31日になるので、逆に早生まれが有利になるという記事を書きました。
http://samurailittleleague.blogspot.com/2014/08/blog-post.html


ところが、またまた状況が変わり、2018年からは8月31日を区切りにすると正式変更されたそうです。

リトルリーグ公式サイト:
http://www.littleleague.org/media/llnewsarchive/2015/September-December/llb-age-determination-date.htm

なるべく同じ学年の子が同じチームに所属できるように、って理由が書かれていますが、そもそも学年が9月始まりのアメリカにしか通用しない理屈で、リトルリーグ、ひいては野球というスポーツを本気で世界に広めようとしているのか疑問を抱かざるを得ません。しかもアメリカ国内でも州や地域によって学年を区切る日はまちまちで必ずしも8月末ではありません。
多くの保護者やボランティアの意見を聞いたと書いてありますが、アメリカ国内だけで調査したのでしょうか。
全く根拠のない愚論だと私は思います。

そんなわけですので、このルールもまたいつ変更になるかもしれません。
とりあえずは2018年からは9月生まれが最も有利になるってことですね。

個人的には私の息子は既に13歳ですので、もうどうでもいいのですが。



2015年8月27日木曜日

リトルリーグとトラベルリーグ

アメリカの少年野球は大きく分けて2つのグループがあります。

一つはリトルリーグ。地域ごとにチームがあり、年齢と住所の条件を満たせば、希望者は野球の上手い下手に関わらずほぼ全員が入れます。監督・コーチは無報酬ボランティアで、大抵は選手の父親がやることが多いです。

他方、トラベルリーグというものもあり、これはクラブチームに近いです。チームに入るにはトライアウトを受ける必要があり、監督・コーチはそれが仕事です。その名の通り、遠距離遠征もしょっちゅうあります。

リトルリーグは練習はそこそこに試合中心で楽しむことが目的でレクリエーション・ボールとも呼ばれます。リトルリーグと比較すると、トラベルリーグは練習の頻度も多く、勝負に拘る傾向があります。

当然ながら、野球のレベルは概してトラベルリーグの方が高いのですが、野球好きな子が必ずしもトラベルリーグに所属しているとは限らず、親の意向や本人の好みでリトルリーグを選択するケースも少なくありません。

私の息子は5歳のときから8年間、ずっと同じリトルリーグで野球をしてきました。
野球は大好きでも、体も小さく、特に運動能力に秀でているわけでもないので、小さい頃はチーム内で1,2を争うヘタッピでした。
それでも飽きもせず毎年続けているうちに、段々と同年齢の中では上手い部類に入っていき、昨シーズンは最下位チームのエースでクリーンアップ、という位置まで来ました。

とは言えレベルが低いリトルリーグの中での話だったのですが、なんとも恐ろしいことに、こんな子供の野球でもスカウトや引っこ抜きの世界がありまして、とあるトラベルリーグから誘いがあり、トライアウトを経て、この秋からトラベルリーグに移ることにしました。

トライアウトの日、あいにく私は不在だったのですが、連れていった妻はみんな14歳以下の筈なのに全員が180センチ以上あるように見えるとびびっていました。息子は私と同じ160センチしかありません。

息子が所属するチームは地域の大会で優勝経験もあり、そこそこの強豪のようです。
練習は平日週4回、日曜はダブルヘッダー、休みは平日の1日と土曜だけ、ということで、
確かにリトルリーグ時代よりは多いですが、日本の部活に比べたら大したことはありません。
練習も2時間以内ですし。

ただ、コーチが説明してくれた練習の内容が、私からするとかなり変わっています。
バッティングケージで打撃のみの練習日が1日、野球場で守備練習だけの日が1日、1日は陸上競技場でダッシュ中心の走り込み、もう1日はジムでウエイトを使ったインターバルトレーニング、なんだそうです。
つまり週4回の練習日と言っても、毎回場所を変えて、野球のボールに触るのは2回だけです。

こうした練習がトラベルリーグでは一般的なのか、それともこのチームが特殊なのかはよくわかりませんが、私としては断然支持したい内容です。
ボールを打ったり捕ったりする技術はもっと成長してからでも出来ると思いますし、枝葉の技術より何よりアスリートとしての能力を上げてほしいとかねがね思っていましたから。

はたして、お遊び的な雰囲気で野球をやってきた息子がついていけるかどうかはわかりませんが、出来るだけ練習や試合につきあって、このやり方をよ~く観察してみようと思います。
どっちにしても車社会のアメリカ、興味があろうとなかろうと親の送迎は不可欠なのです。







2015年5月5日火曜日

日米草野球オヤジの比較

私は日本では小学校までしか野球をしたことがないのですが、現在住んでいるアメリカ・南カリフォルニアで現地の硬式野球リーグと日本人中心の軟式野球リーグの両方に所属しています。硬式リーグの方は多分私がリーグ唯一のアジア人で、軟式リーグの方は日本人が9割以上を占めています。どちらも日曜日に試合がありますので、都合のよい時間と場所を選んで参加しています。稀に、午前中は軟式、午後に硬式、という風に個人的なダブルヘッダーに臨むこともあります。
同じスポーツでありながら、大リーグと日本のプロ野球では共通点よりむしろ異なることが多いし、アメリカのリトルリーグと日本の少年野球は雰囲気が大きく違います。大人の草野球もまた然りです。私が体験しつつある両リーグはこんな感じです。


硬式・アメリカ人中心
軟式・日本人中心
URL
リーグ概要
年齢別3リーグ(35歳以上、43歳以上、オープン)、合計15チーム。本シーズンは3月~10月。別に冬期シーズンあり。
1リーグ、合計11チーム。本シーズンは310月。
個人参加費
シーズン500ドル
シーズン100ドル

どちらも週1回、67か月のシーズンでリーグ戦を行いますので、1シーズン2030試合ぐらいを消化することになります。1チームの人数は1218人ぐらいで、来たらとりあえず全員に出場機会があるのが普通なのですが、勝負にこだわりレギュラーを固定しているチームもいくつかあります。

設備・費用

参加費は硬式の方が高いのですが、その分、球場や審判などのハード面では恵まれています。硬式の方は高校や大学のきちんとした野球場を借りていますので、両翼100メートル以上、フェンス、ダグアウト、ナイター設備、観客席までついています。一方で軟式の方はあまり治安のよくない土地柄の公園を借りてますので、芝生がはげていたり、あるいは伸びすぎていたり、内野グラウンドもボコボコで、マウンドもなかったりします。硬式は審判も2人。軟式は1人です。


参加者の内訳

硬式の方はほぼ例外なく高校か大学の野球部経験者で元プロも少なくありません。軟式の方は野球部経験者と素人の割合は半々ぐらい。やや経験者が多いかもしれません。たまに元プロとか甲子園優勝チームのレギュラーとかがいます。自殺する前の伊良部選手も軟式リーグに参加していたことがあるそうです。


レベル・雰囲気

どちらも割に真剣です。いい大人が遊びでやってるわりには勝負にこだわって熱くなる人が多いです。あえて比較するならば、硬式のアメリカ人の方が大人げない人が多い印象です。審判に悪態をついて退場を宣せられる人も何人か見ました。
どちらかと言えば日本人リーグの方がバラエティに富んでいて、試合前のアップから集団ランニングとシートノック、毎イニングごとに円陣を組んで気勢を上げる高校野球そのまんまのチームもありますし、私が所属しているチームのように「円陣? 似合わないことはやめようよ」ってところもあります。


野球オヤジ

日米どちらのリーグ、どんなチームでも中心になっている監督やマネージャーのような人がいます。野球をやるだけではなく、人数集め、道具の管理、参加費の徴収、試合や練習スケジュールの告知、などなど、面倒な業務を一手に引き受けてくれる人がいないとチームは回りません。頭が下がります。私が見てきた限り、そのような人達には日米通じてどこか共通点があります。まずは野球が大好き。年齢は40~50代。プレイのレベルは必ずしも高くない場合が多いようです。それでもその人がいなければ野球そのものが出来ないことは皆がよくわかっていますので、チームの要として充分な敬意が払われていることは言うまでもありません。

野球に熱中するあまり家族から呆れられているか見放されている人が多いのも日米草野球オヤジ達に共通した特徴です。そのせいか、草野球はアメリカでは珍しい男社会です。奥さんや子供が試合を観戦に来ている例は皆無ではありませんが、どちらのチーム側にも家族からの応援はゼロ、というゲームも珍しくありません。

2015年3月13日金曜日

万年補欠で頑張る子供は美談なのか?


この動画を見た方はいるでしょうか?

一度も少年野球のスタメンに選ばれなかった息子。最後に伝えた言葉に涙…
と紹介されていて、やたらフェイスブックでシェアされていました。



見ての通り、健気な男の子と彼を支える家族のお話で、多くの人に感動の嵐と絶賛されています。
私自身はもちろん感動的なドラマだとは思いますが、どうしても話の設定自体に違和感を拭えず、自分のフェイスブックに下のようなコメントをポストしました。 
アメリカの少年野球、というテーマからは少し外れますが、日本の少年野球はこんな風に見えることもあるよって言いたかったので、あえてそのまま転記します。


ドラマとしては感動するけど、少年野球はどんな下手でも全員を交代で試合に出すべきだと思う。競争するのは大人になってからでいい。


そもそも野球にトーナメントはそぐわない。負けると終わりだから、指導者に余裕がなくなる。勝っても負けても次があるリーグ戦なら、選手全員にチャンスを与えることが出来る。


甲子園の高校野球大会は見る側にはドラマチックな感動を与える。でも日本の野球を画一的にして、層を薄くしている弊害も多い。


それでも僕らの世代に野球好きが多いのは野っ原で草野球が出来たからだと思う。今の子供は何処かのチームに所属しないと野球が出来ない。残念な状況だと思う。


子供の成長スピードには個人差がある。早熟型もいれば、大器晩成タイプもいる。ある時点での上手いヘタが、必ずしもその子の実力を表すとは限らない。


スポーツだから競争するのはいい。だけど、ある時点の結果によって、将来の機会を奪ってはいけない。


野球の話だか教育の話だかわからなくなったけど、要は少年野球にはレギュラーと補欠の区別をつけるべきではないってことを言いたい。人数が多すぎるのならチームを分けたらいいだけのこと。


プロ野球選手には4月生まれが最も多く、3月生まれは最も少ないらしい。生まれた月によって運動能力に差が出るわけではないから、原因は試合経験や練習量の違いにあることは明らかだ。学年で区切ってチームを作り、レギュラーと補欠を分けることの弊害がここにもある。