2015年5月5日火曜日

日米草野球オヤジの比較

私は日本では小学校までしか野球をしたことがないのですが、現在住んでいるアメリカ・南カリフォルニアで現地の硬式野球リーグと日本人中心の軟式野球リーグの両方に所属しています。硬式リーグの方は多分私がリーグ唯一のアジア人で、軟式リーグの方は日本人が9割以上を占めています。どちらも日曜日に試合がありますので、都合のよい時間と場所を選んで参加しています。稀に、午前中は軟式、午後に硬式、という風に個人的なダブルヘッダーに臨むこともあります。
同じスポーツでありながら、大リーグと日本のプロ野球では共通点よりむしろ異なることが多いし、アメリカのリトルリーグと日本の少年野球は雰囲気が大きく違います。大人の草野球もまた然りです。私が体験しつつある両リーグはこんな感じです。


硬式・アメリカ人中心
軟式・日本人中心
URL
リーグ概要
年齢別3リーグ(35歳以上、43歳以上、オープン)、合計15チーム。本シーズンは3月~10月。別に冬期シーズンあり。
1リーグ、合計11チーム。本シーズンは310月。
個人参加費
シーズン500ドル
シーズン100ドル

どちらも週1回、67か月のシーズンでリーグ戦を行いますので、1シーズン2030試合ぐらいを消化することになります。1チームの人数は1218人ぐらいで、来たらとりあえず全員に出場機会があるのが普通なのですが、勝負にこだわりレギュラーを固定しているチームもいくつかあります。

設備・費用

参加費は硬式の方が高いのですが、その分、球場や審判などのハード面では恵まれています。硬式の方は高校や大学のきちんとした野球場を借りていますので、両翼100メートル以上、フェンス、ダグアウト、ナイター設備、観客席までついています。一方で軟式の方はあまり治安のよくない土地柄の公園を借りてますので、芝生がはげていたり、あるいは伸びすぎていたり、内野グラウンドもボコボコで、マウンドもなかったりします。硬式は審判も2人。軟式は1人です。


参加者の内訳

硬式の方はほぼ例外なく高校か大学の野球部経験者で元プロも少なくありません。軟式の方は野球部経験者と素人の割合は半々ぐらい。やや経験者が多いかもしれません。たまに元プロとか甲子園優勝チームのレギュラーとかがいます。自殺する前の伊良部選手も軟式リーグに参加していたことがあるそうです。


レベル・雰囲気

どちらも割に真剣です。いい大人が遊びでやってるわりには勝負にこだわって熱くなる人が多いです。あえて比較するならば、硬式のアメリカ人の方が大人げない人が多い印象です。審判に悪態をついて退場を宣せられる人も何人か見ました。
どちらかと言えば日本人リーグの方がバラエティに富んでいて、試合前のアップから集団ランニングとシートノック、毎イニングごとに円陣を組んで気勢を上げる高校野球そのまんまのチームもありますし、私が所属しているチームのように「円陣? 似合わないことはやめようよ」ってところもあります。


野球オヤジ

日米どちらのリーグ、どんなチームでも中心になっている監督やマネージャーのような人がいます。野球をやるだけではなく、人数集め、道具の管理、参加費の徴収、試合や練習スケジュールの告知、などなど、面倒な業務を一手に引き受けてくれる人がいないとチームは回りません。頭が下がります。私が見てきた限り、そのような人達には日米通じてどこか共通点があります。まずは野球が大好き。年齢は40~50代。プレイのレベルは必ずしも高くない場合が多いようです。それでもその人がいなければ野球そのものが出来ないことは皆がよくわかっていますので、チームの要として充分な敬意が払われていることは言うまでもありません。

野球に熱中するあまり家族から呆れられているか見放されている人が多いのも日米草野球オヤジ達に共通した特徴です。そのせいか、草野球はアメリカでは珍しい男社会です。奥さんや子供が試合を観戦に来ている例は皆無ではありませんが、どちらのチーム側にも家族からの応援はゼロ、というゲームも珍しくありません。